2026年春、Nike SBから届く新たな一足が、スニーカーヘッズの心を静かに掻き立てている。Nike SB Dunk Low “Som Tum”——通称“Thai Food”と呼ばれるこのモデルは、タイの日常に根ざした代表的な料理、ソムタム(パパイヤサラダ)をインスピレーションに据えた、控えめながら深いストーリーテリングが魅力のデザインだ。

アッパーは、タイの伝統的な手織りバスケットを思わせるウーブンパネルをトゥボックスとミッドフットに採用。ナチュラルベージュのテクスチャードスエードオーバーレイが、自然素材のような温かみを加え、全体にヘンプ調の素朴な風合いを纏わせる。そこにスパイシーなブレイズオレンジのコントラストステッチと太めのレースが効き、ソムタムの唐辛子の鮮やかな刺激を視覚的に表現。ヒールタブとパッド入りヒールにはメタリックブルーが輝き、Nikeロゴがタイ文字で刺繍されるという、さりげない異文化のアクセントが光る。

このシューズの真髄は、目に見えない部分にこそ隠されている。タンの裏側には、左足に竹製の蒸し器に入ったライス、右足にすり鉢と杵で叩かれるパパイヤやハーブ、スパイスのイラストが施され、ソムタムの伝統的な調理法を忠実に再現。インソール下には蓮の花のグラフィックがZoom Airユニットに現れ、ジャスミンライスの包装をモチーフにしたプリントが足元を優しく包む。こうした細やかなディテールは、Nike SBが得意とする“着用者だけが知る秘密”の美学を体現している。


非公式ながら、このリリースにはプロスケーター、エリック・コストンの影がちらつく。バンコク生まれでタイ系ハーフの彼は、過去に“Thai Temple”と呼ばれるシグネチャーDunkを発表しており、Nike SBとタイ文化のつながりを象徴する存在だ。今回の“Som Tum”も、そのヘリテージを静かに継承しているのかもしれない。

派手さを抑え、文化への敬意を優先したこの一足は、ストリートウェアの新たなスタンダードとなり得る。デニムやカーゴパンツとの相性はもちろん、ミニマルなコーディネートでそのニュアンスを楽しみたい。発売はスケートショップおよびSNKRSにて予定され、価格は未定ながらおよそ$130前後と予想される。
タイの風土と食文化を足元に宿す、Nike SB Dunk Low “Som Tum”。2026年のスニーカーシーンを、穏やかながら確実に彩るであろう、注目のマスターピースだ。
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