南青山の路地裏に突如現れた、ストリートカルチャーの小さな聖地「OTSUMO PLAZA」が、2026年1月31日(土)をもって実店舗としての歴史に幕を下ろす。2023年11月のオープンからわずか2年3ヶ月という短い期間だったが、その濃密な存在感は、VERDYとNIGO®のファンを中心に、確かな余韻を残している。
このショップは、NIGO®がクリエイティブディレクションを手がけ、グラフィックアーティストVERDYのビジョンが色濃く投影された空間だった。場所は、かつて藤原ヒロシが手がけた伝説のコンセプトストア「the POOL aoyama」やNIKE LAB MA5の跡地。ファッション史の記憶が染みついた土地に、再び新たな物語が生まれた瞬間だった。
オープン初日の熱狂は、今なお語り継がれている。入店抽選制となった11月4〜5日、南青山の細い路地にできた長蛇の列。VERDY描き下ろしの店舗限定Tシャツやトートバッグ、HUMAN MADEとのコラボアイテムを求めて、世界中からファンが殺到した。店内にはKid CudiのWZRDコレクションも並び、単なるセレクトショップではなく、国内外のクリエイターが交錯する“実験室”のような空気が漂っていた。
NIGO®はかつてこう語っている。「昭和の漫画家たちが集まったトキワ荘のように、次世代のクリエイターが自然と集まる場所にしたい」と。2022年にスタートした共有アトリエ「OTSUMO CENTRE(オツモソ)」の延長線上に位置づけられ、VERDYのスタジオも併設されていたこの場所は、まさにその理想を体現した結晶だった。
しかし、閉店の背景には現実的な側面も見え隠れする。VERDY関連のドロップ時以外は棚が寂しくなりがちで、HUMAN MADE本店に比べてややアクセスしづらい立地も影響したのだろう。ファンの間では「オンラインにシフトするのはむしろ賢い選択」という声が少なくない。
1月31日のラストデイを最後に、翌2月1日(日)からはオンラインコンセプトストアとして生まれ変わる。リニューアルオープンを記念し、Wasted Youth by VERDY、WZRD by Kid Cudi、そしてこれまで青山店でしか手に入らなかったVERDY描き下ろしのオリジナルアイテムが一斉にラインナップ。11:00スタートの記念アイテムも控えており、地方や海外のファンにとっては、むしろこれまで以上にアクセスしやすい形への転換となる。
物理的な空間を失うOTSUMO PLAZAだが、そのスピリットはデジタル上で新たな息吹を吹き込まれる。NIGO®とVERDYが描く次なる章に、ストリートシーンは静かに耳を傾けている。短命ながらも鮮烈だった“実験室”の記憶は、これからも色褪せることはないだろう。

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